MBAの企業派遣とは、企業が費用を負担して、将来の幹部候補となる人材を、国内や海外のMBAプログラムを持つ大学院に派遣することです。
海外に留学する形で社員を派遣したり、慶應義塾大学をはじめとする日本国内のビジネススクールに社員を派遣したりといった形態がありますが、国内であっても全日制プログラムの場合は、優秀な人材が現場から2年ほど離れることになります。
そのため、多くの場合は人手に余裕のある大手企業がMBAの企業派遣を行っています。
MBA企業派遣は、1990年代から徐々に減少してきました。理由は主に2つあり、費用の問題と人材離れが挙げられます。
企業派遣では、MBAの学費以外に在学中の給与支払いも必要になるため、派遣中には多額の経費がかかります。経費削減のため、企業派遣を中止する企業が増加しました。
また、MBAを取得した社員がその後退職してしまい、企業に利益をもたらさないケースが増えてきたという理由も挙げられます。
MBAの企業派遣生に選ばれるためには、まずは社内の選抜試験に通過しなくてはなりません。選抜試験内容は企業によって異なりますが、多くの場合は人事部や担当部署の上長面談や、ビジネススクール進学に向けての志望動機書提出が求められます。
同僚や上司からの評価も高く、将来的に企業に大きく貢献できる人材と判断されれば、社内試験に通過する可能性も高まるでしょう。
また、海外のMBAプログラムに留学する場合は、高い英語力が要求されます。大学院によって必要な英語力は異なりますが、多くの場合はTOEFL iBTで100点程度が必要です。
オンラインMBAとは、インターネットを利用してオンラインで講義を行うプログラムです。スクーリングの形で対面授業への出席が求められるケースもありますが、基本的には通学が不要なため、場所を選ばず受講できます。
オンラインMBAのメリットは、留学に比べると費用が安いことや、仕事との両立が可能なことが挙げられます。
海外のビジネススクールに通う場合、学費や生活費を合わせると1000万近い費用がかかる可能性があります。しかしオンラインMBAであれば、生活費はかからず学費も比較的安価な場合が多いです。また、通学の必要がないため、休職せずに仕事を続けることが可能なのもメリットと言えるでしょう。
オンラインMBAのデメリットとしては、学習時間を捻出するのが大変なことや、クラスメートとの交流が少なくなることなどが挙げられます。
仕事をしながらMBA取得を目指す場合、夜間や休日などを学習時間にあてることになるため、負担が増えてしまいがちです。
また、クラスメートとの交流も基本的にオンラインのみとなるため、コミュニケーションの機会も限定されてしまい、思うように交流できないと感じる人もいるでしょう。
国内MBAとは、京都大学や慶應義塾大学など、日本の大学が開講しているビジネススクールのことです。イギリスのウェールズ大学ビジネススクールのように、海外大学が日本で開講している場合もありますが、一般的には日本のMBA大学院のことを指します。
国内MBAのメリットは、言語の壁がないことや、日本人ビジネスマンとの人脈形成がしやすい点が挙げられます。
海外のMBAプログラムで学ぶ場合は高い英語力が必須となりますが、国内MBAであれば日本語で学べるため、経営学の勉強に集中できます。
また、将来日本を拠点に仕事をしていこうと考えている場合は、似たような志を持つ日本人クラスメートとの人脈を構築しやすいのもメリットと言えるでしょう。
国内MBAのデメリットとしては、将来海外を拠点として仕事をしていきたい場合、グローバルな人脈が得られないことや、英語力が上がらないといったことが挙げられます。
また、MBAと聞くと海外の有名ビジネススクールを想像してしまう人の場合、日本国内のMBAプログラムだと、ブランド力に欠けると感じてしまう人もいるかもしれません。
海外MBAとは、アメリカやヨーロッパなどの大学で開講しているビジネススクールのことです。評価基準を満たしたビジネススクールには、AACSBなどの国際認証が与えられており、学校選びの際の指標となります。
海外MBAのメリットとしては、高い英語力が身につくことや、グローバルな人脈を築けることが挙げられます。
授業はもちろん、プレゼンテーションなどもすべて英語で行われるため、必然的に英語力が向上します。
また、世界各国から集まった学生と直接コミュニケーションを取り学ぶことで、人脈が広がります。将来海外でビジネスを展開したいと考えている場合は、メリットとなるでしょう。
海外MBAのデメリットとしては、高額な費用や日本でのキャリアをストップしなくてはならないことが挙げられます。
ビジネススクールの費用は学校によって異なりますが、一般的に700万~1,600万円ほどとされています。学費に加えて生活費も必要なため、かなり高額です。
また、留学することになるため、仕事を休職あるいは退職しなければならなくなります。キャリアがストップすることをデメリットと感じる人もいるかもしれません。
ビジネススクールを選ぶには、取得するためにご自身が何を重視しているかを考えて選択することが大切です。オンラインでMBAを取得できるスクールは多数あります。ここでは、その中からおすすめの3校をご紹介します。
アビタスは、米国マサチューセッツ大学のMBAプログラムを提供・支援しているスクールです。基礎課程は日本人講師が日本語中心に講義を行い、上級課程でも日本語のサポートテキストがあるため、英語力に不安がある方でも安心です。
ボンド大学は、オーストラリアの国際認証MBAプログラムを学べるスクールです。著名コンサルタントがプログラムを提供しています。但し、オンラインだけで完結はせず、何度か現地のビジネススクールへ通学する必要があります。
グロービス経営大学院は、国内で多くのMBA実績を持っているスクールで、様々な業界のビジネスパーソンに選ばれています。講義の受け方は、オンラインと通学から選択できるため、ライフスタイルに合わせてMBA取得を目指せます。
〔3選の選定基準〕
「MBA取得 オンライン」で2022年11月16日にGoogle検索して表示されたビジネススクール・大学・大学院で、「オンライン受講が可能」「卒業生のインタビューを掲載している」という条件をクリアした9校より、さらに下記条件を満たす3校を選出しました。
・アビタス、ボンド大学...国際認証を取得している全て(2件)のビジネススクール・大学。
・グロービス経営大学院...日本独自のMBA学位が取得できる4件のうち、卒業生のインタビュー掲載数が一番多い大学院。
(2022年11月16日現在)